【メディア掲載】WEBメディア 「TECH NODE GLOBAL」取材
※TECHNODE GLOBAL オリジナル英語記事
【記事和訳】
“ENHANCING THE CUSTOMER EXPERIENCE WITH A HUMAN-CENTRIC APPROACH TO FASHION RETAIL”
ファッションリテールへの人を中心とするアプローチで、顧客体験を向上させる
Tech Node Global Q&Aでは、顧客の課題に合わせたO2O機能を強化するソリューション提供、各ターゲット市場のニーズに対応するためのローカリゼーション、人材開発、パートナーシップ、サステナビリティなど、APAC地域への戦略的拡大について、WORLD MODE HOLDINGS代表取締役社長 加福真介、WORLD MODE HOLDINGS ASIA PACIFICディレクター Angeline Yap、WORLD MODE HOLDINGS国際事業統括本部ディレクター 藤原晶を取材しました。
WORLD MODE HOLDINGS APACは、コロナ禍以降のラグジュアリー業界における顧客体験課題に、どのように取り組んでゆくのか。加速する市場やビジネスの成長にどのように対応し、顧客課題に合わせたソリューションを提供してゆくのかということを中心に、人材開発とスキル認定への注力、ジョブポータル“MyBRANDS”を活用したAPAC地域の販売員の未来などについて詳しく話を聞きました。話題はさらに、革新的なテクノロジーによる売り上げの最大化と人中心のアプローチによる顧客体験と生産性向上、サステナビリティを考慮したオペレーションやソリューションの重要性にも広がりました。
WORLD MODE HOLDINGSはAPAC地域への事業拡大を進める中で、現在のAPAC市場、特にコロナ禍後に急速に伸長しているラグジュアリー業界での顧客体験の課題に、どのように取り組んでゆくのですか?
加福:
特にコロナ禍後、ラグジュアリーの顧客体験はオンラインとオフラインを組み合わせて考えられるようになりました。
人材、配信面でブランドのO2O機能を包括的に強化するため、WORLD MODE HOLDINGSはパートナー企業のパロニムとともに、TIG LIVERというサービスをスタートし、インタラクティブな動画技術を導入しTIG LIVEのパフォーマンスを高めるソリューション、顧客のO2Oジャーニーを最適化するフローデザイン、クーポン発行や視聴者行動のデータ化、O2Oショッピングにフォーカスしたスタッフトレーニングなどのソリューションを提供しています。
WORLD MODE HOLDINGSは、次の4カテゴリーのビジネスを展開しています。
人と企業を繋ぐ人材ビジネス。
ファッション・ビューティー業界を支える方々のスキルアップのための教育事業。
戦略的な店舗運営やVMなど、店舗の売上を向上させる店舗運営事業。
EC、デジタルマーケティング、PR、SP、CRMのコンサルティングや戦略提案をするマーケティング&テクノロジー。
グループ各社のこれらのノウハウを組み合わせ、クライアントの皆様の事業環境や課題に対応する包括的ソリューションを提供します。
東南アジアにおいて、各国特有のマーケットニーズを考慮しながら、地域全体の市場やビジネスの急速な成長に対応してゆくソリューションが求められているとのことですが、このようなニーズに対してWORLD MODE HOLDINGS APACが提供できるソリューションとは?
加福:
リテール環境は激しく変化しており、ブランドの皆様は本国の基準に沿いながら各国でグローバルの戦略を迅速に実施しなければなりませんWORLD MODE HOLDINGS APACは、各国に精通するスペシャリストたちとともに、それぞれのニーズや環境を把握し、効果的な戦略を提供します。近年の例としては、日本のファッションブランドMOUSSYが台湾北部最大級の三井アウトレットパーク林口に出店する際、輸出入に関する国内外の手配、人材採用とトレーニング、店舗運営代行など、WORLD MODE HOLDINGSが海外進出を統括的にサポートしました。
各国ごとに、文化や消費者は異なります。そのため、WORLD MODE HOLDINGSの各海外拠点にはファッション領域に精通するスペシャリストがおり、各国に合わせたサービスを提供しています。例えばベトナムには人材サービスの子会社があります。WORLD MODE HOLDINGSのデータベースにはベトナムまたは日本で働くことが可能な5000人程の育成された人材候補がおり、また日本オフィスとベトナムチームが連携して、それぞれの国へ事業拡大を考えている顧客に対しノウハウや戦略的アドバイスを提供しています。
記憶に残る顧客体験を提供するためには、能力開発やスキル認定が重要だと強調されています。Mode Academyは、どのような戦略やメソッドで、働く人たちが必要なスキルや知識を得られるよう導いてゆくのでしょうか?
Angeline Yap:
MODE Academyの戦略とメソッドは以下の通りです。
●動画およびコンサルタントによる事例などのレクチャー
●ゲーム、クイズなど受講前のプレワーク実施
●事例のシミュレーションや実演、ロールプレイング、ワークショップ、プレゼンテーション
●スキル評価、受講後の課題とフィードバック、認定
●インストア コーチング(応用学習)
●業界のエキスパートとの協業
●知識の継続と強化のためのデジタルラーニング
Angeline Yap;
Mode Academyの教材は、ファッションやビューティに関する幅広いスキルを習得してもらうように設計されています。理論的な知識から実用的な応用まで、エンゲージメントの高いプログラムにより、受講者にさらに高い知識とスキルを修得していただけます。記憶に残る顧客体験を提供するための専門的スキル、顧客サービス、エンゲージメントスキルの応用学習の評価は、業界関連のケーススタディを用いて行われます。
講師陣にはファッション・ビューティ業界の経験豊富なエキスパートを揃えています。トレンド、スキル、変化する顧客行動に精通しており、スキルや知識をわかりやすく伝え、受講者たちが確実に修得するようにガイダンスを行いトレーニング基準へと導きます。
またすべてのプログラムで、獲得した知識を確実にするためのコーチングとフォローアップが行われます。希望があれば、学習とパフォーマンス向上を目的とする受講後の従業員エンゲージメントキャンペーンや従業員レコグニション、リワードプログラムも提供します。
人材採用はWORLD MODE HOLDINGS APACのキーとなるサービスであり、その人材データベースを地域全体をカバーするものに拡大するのがジョブポータルMyBRANDSとのことですが、この拡大は、APAC地域における販売員の未来をどのようにサポートしてゆくと考えていますか?
藤原:
WORLD MODE HOLDINGSは、サービスを通して皆様に喜びと豊かさを提供することを目指しています。
私たちは、人材がリテール業界の成功の鍵を握っており、採用とトレーニングはビジネスと目標達成のために不可欠だと信じています。
MyBRANDSは、アジアで唯一のファッション・ビューティに特化したジョブポータルで、フルタイムとパートタイムの両方に対応しています。それはつまり、業界でのキャリアを求めるあらゆる求職者の獲得および育成を可能にするということです。
また、O2Oの顧客サービスへのスムーズな対応、サステナビリティについての顧客の疑問への対応など、リテール企業が求職者に求めるスキルセットは多様化しています。WORLD MODE HOLDINGSはMode Academyで、登録やに必要なスキルを獲得するための包括的なトレーニングを提供しており、またビジネス課題に合わせカスタマイズされたスタッフ向けのコースにも対応しています。
そのため、MyBRANDSは、効果的かつ的確に、多様なニーズに対して期待を超える人材を提供することができるのです。
加えて、複数国で展開しているため、クロスボーダーな人材採用サービスも可能です。キャリアを求める強い熱意のために、移転することを厭わない人が増えています。例えばWMHのグローバルアンバサダープログラムは、国境を越えて働きたい人たちの就業を実現することを目的としています。このプログラムは、ビザ申請、住宅探し、必要なスキルや知識の獲得、面接の練習など、グローバルアンバサダーの候補者をサポートします。
MyBRANDSを活用することで、ブランドの皆様は優秀で様々なバックグラウンドを持つ候補者を採用することができ、それは結果的にAPAC地域の業界の活性化に繋がります。
店舗運営では人中心のアプローチへとシフトしていますが、顧客体験と生産性を同時に向上させるためにWORLD MODE HOLDINGS APACが提供した戦略やソリューションについて教えていただけますか?
Angeline Yap:
店舗運営においてのより顧客を中心とするアプローチへのシフトは、WORLD MODE HOLDINGS APACがより明確な目的や意義のある顧客体験を提供する後押しとなります。
例えば、パートナー企業のPalexyは、リテール企業が店内のカスタマージャーニーをマッピングして視覚化するのに役立つテクノロジーを提供しています。分析を通して消費者の潜在的な心理を知り、ターゲットをしぼった効果的な統括的ソリューションを導き出すことができ、人員の最適化やターゲットを絞ったマーケティングプロモーションからパーソナライゼーションまで多岐に渡る運営効率と顧客満足の両方の向上に繋がります。
WORLD MODE HOLDINGSはまた、ブランドが特別な顧客体験を届けるためのオンラインの顧客サービスソリューションも提供しています。販売員と顧客の関係を強化し、エンゲージメントを高め、あらゆるタッチポイントにおいてのパーソナルなサポートを可能にします。そしてシームレスで一貫性のあるオムニチャネルサービスの統合やより生産性の高いオペレーションへと導きます。
ファッションとテクノロジーのシームレスな融合が顧客体験のソリューションの基礎となるとのことですが、WORLD MODE HOLDINGS APACが顧客のエンゲージメントを高めリテールセールスを最大化するために活用しているまたは今後活用しようと考えている革新的なテクノロジーについて聞かせていただけますか?
加福:
WORLD MODE HOLDINGSはテクノロジーを活用したサービスの開発に加えて、パートナー企業との協業も行っています。彼らは、急速に変化する状況の中でリテール企業を効果的にサポートする最先端機能を提供しています。
私たちはリテールとテクノロジーの両方を理解しており、その融合により効果的な統合ソリューションを導き出すことができると自負しています。
WORLD MODE HOLDINGSは単体でまたはパートナー企業との協業により、リテールの現場を活性化する最も有効な手段を追求し提供します。最近では、テクノロジー企業のPalexyと協業していますが、顧客や販売員の店内行動をマッピングし視覚化するPalexyのテクノロジーにより、リテール企業は、以前は見えなかったあるいは知ることができなかった課題に対応する戦略を立てることが可能になります。このようなテクノロジーを活用して、分析を行い、その結果に基づいたソリューションを提供します。
リテール部門においてのサステナビリティの重要性が増していますが、WORLD MODE HOLDINGS APACはどのようにしてサステナビリティを実行し、サービス提供に取り入れてゆくのでしょうか?
加福:
WORLD MODE HOLDINGSは、サステナビリティを考慮したクリエーションを手掛ける若手デザイナーの支援や、サステナブルなソリューションと製品への認知を高めるためのメディアとの協業に取り組んでゆきます。
販売員の方々のサステナビリティに対する知識を深めていただくために、定期的に無料のウェビナーも開催しています。
また、不要になった素材をリサイクルし、家具や什器、マネキン、さらには店舗設営のための原材料に変換するテクノロジーを持つ企業とともに衣料廃棄の問題にも取り組んでおり、日本ではパネコやモノファクトリー、その他のAPAC地域ではWynistと協業しています。
※TECHNODE GLOBAlについて
中国のイノベーションやテクノロジービジネスのプラットフォームTech Nodeから派生。東南アジア地域で、キーマーケットのテクノロジーを含む幅広いビジネス情報を、豊富なリソースと経験を踏まえた考察を交えて紹介している。