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【国際青少年デー】 BRUSHトレーニングマネージャー三水明美氏インタビュー

今年の国際青少年デー(International Youth Day)のテーマは、Green Skills for Youth: Towards a Sustainable Worldです。世界の動きをみると、シンガポールの政府機関であるSkillsFutureは、グリーンエコノミー実現に向け、具体的に国民が習得すべきグリーン・スキルについて発表しています。日本でも先日GX実行会議が開かれるなど、若者のスキル習得についてアジア以外のエリアを含めて教育、リスキリング研修については世界で大きな動きとなってきています。

国際青少年デーに合わせ、日頃からグローバルに若者への教育・研修を行うBRUSHのトレーニングマネージャーである三水さんへ、若者の能力を引き出す育成方法という観点からお話をお伺いしました。

 

頭で“わかる”が得意な若者たちを、身体も“動く”プロフェッショナルへ成長させる


私は販売員の方々へも研修を行っているのですが、最近研修に参加される皆さんは全体的に「素直ないい子」になってきていると思います。

数年前は参加者の中に2,3人くらい「現場にいる私が、お客様を一番理解している」、「実際の現場も知らない人から教わることなんてない」と反発する様子も見られたのですが、今はあまりありません。情報が溢れる今の時代においては、研修内容の基礎的なことは事前に知っているのが当たり前で、反発するエネルギーを使う必要はないと考えているかもしれません(笑)

特にZ世代の若者は情報の収集に貪欲で、インターネットやSNSから情報を集め、業界に詳しい人から一次情報を聞いて情報を評価する。この能力こそが、これからの若者たちが持つべきスキルであり、価値でもあります。

ただ、情報を理解することと、“できる”は別です。例えば、接客スキルなどは情報が多すぎるあまり、頭ではわかっていても「本当の正解がわからない。」「自分の答えに自信がない。」といった方もいます。そういった方に研修で実際に動いて頂くと、想像力が豊かで、身体を動かすことが非常に上手なこともあります。

若者の持っている才能を自覚させ、試行錯誤のチャレンジをさせるのが、私たちが提供する研修の重要なポイントの一つだと思っています。

 

現場で体験している感覚を言語化してあげる、理解の深度を深くする


ファッションやコスメ、贅沢品などは、お客様からの信用・安心・楽しさ(感覚的なもの)を満たすこと無しに、商品が売れることはほとんどありません。

これは不変の真理のようなもので、価値観や環境が変化するがゆえに販売のコミュニケーション方法を変えていかなければならない。というだけです。

これまでも、ラグジュアリーブランドを筆頭に顧客の店舗体験をユニークにする取組みをされてきましたが、コロナを経て、より多くのブランドが顧客とのコミュニケーション手法として“店舗体験”を重要視するようになりました。

実践経験の少ない若いスタッフでも、本部から支給された資料を読めば商品を説明することはできます。しかし、店舗での“良質な“体験を提供する為には、彼らが自信を持って頭と心でお客様と最適なコミュニケーションを取れることが重要なのです。このスキルは、現場の実戦環境だけで研鑽、向上させていくことは難しいと考えています。

日々お客様と対応している方の中には、“感覚的”に良質な体験を理解している若者もいます。とても素晴らしいことだと思いますし、だからこそ研修では、その感覚の部分をロジカルに言語化して「これってこういうことだったのか!」と感じてもらえるよう意識して伝えています。

 

海外からの需要が高まる日本の接客スキル


世界から見ても日本の接客水準は非常に高く、日本で気持ちいい店舗体験をしてお買い物をされる外国人の方も非常に多くなりました。

こういった顧客の価値観の変化に合わせ、日本の接客スキルを海外支店へ研修してほしいといったご要望も増えてきています。中長期的にブランドを育成していきたいグローバル企業の経営層・本部は、現状の店舗体験について危機感を持たれているようです。

日本の接客スキルは日本文化特有の「おもてなし」の精神が大きく関わる為、バックグラウンドを持たない海外支店のスタッフには習得が難しいと思われがちです。もちろん、難しさがあることは事実です。

しかし、私たちの研修は、その難しさを理解したうえで、その国やブランドの現場を見て、ローカライズしたプランニング・研修のご提供をしています。

 

「わかる」を「できる」に、若者の育成により持続可能な社会を目指す


ファッションやコスメといった業界は、お客様の価値観が変わりやすい業界です。そのため、価値観を含めた現場で感じる世の中のトレンドを把握したうえで「わかる」を「できる」に昇華させる育成研修を続けてきました。

International Youth Dayは、世界の青少年の問題に国際社会の注目を集め、今日のグローバル社会のパートナーとしての青少年の可能性を祝う日です。

若者の成長をサポートすることは、持続可能な未来のためにも重要な使命だと思います。私たちは、これからの若者の挑戦を支援し、彼らが発展し続けられるよう業界の私たち自身もプロフェッショナルとして成長し続けます。


講師紹介 三水 明美【さみず あけみ】

(トレーニングマネージャー)

~2007年

花王株式会社【SOFINA】/NUMBER THREE, INC. 【Sebastian Trucco】

東京Beauty Art専門学校 美容科・ヘアメイク科・トータルビューティー科・エステティック科 講師

【教科リーダー】 コスメ検定審査員 Make Up Technic(Basic) Make Up Technic(Advance)

2007年~ 株式会社BRUSH

美容業界における接客販売や人材育成の豊富な経験をもとに、国内外の大手化粧品メーカーやアパレル・シューズ・ジュエリー等の新店オープン時の新人教育からマネージャーの育成までを担当。受講者自身が考えることで気づきを促しながら、店舗で活かせる実践的な研修が支持を得ている。


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人材育成から顧客育成まで。人の成長と店舗の成功をコンサルティング

各種研修(セールステクニック・マネジメント・階層別トレーニングなど)から店舗運営に必要なメソッド提供(計数管理・顧客育成・イベント管理など)、OJT教育までワンストップで実施します。プロのリサーチャーによる店舗診断や接客マニュアル制作なども行います。